事業紹介

医学論文査読のお作法 査読を制する者は論文を制する

大前 憲史 著/福原 俊一 監修

福原俊一先生のベストセラー「臨床研究の道標」
の副読本シリーズ第1作

<臨床研究の道標 副読本シリーズ>
医学論文査読のお作法 査読を制する者は論文を制する
【本書の効用】
  • ◆査読時には ▶効率的で系統的、網羅的な査読ができる
  • ◆論文執筆時は ▶より広く深い視点から論文の質を向上
  • ◆査読者への対応時には ▶困難な要求にも的確な返答が可能に

大前 憲史(福島県立医科大学附属病院 臨床研究教育推進部副部長・特任准教授)著
福原 俊一(京都大学 教授/福島県立医科大学 副学長)監修
A5版/168ページ

定価:
単行本 3,300円(税込)
電子書籍 2,970円(税込)

書評

  • まず、論文査読のイロハという着眼点が面白い。内容もきちんとエビデンスと実経験を交えて構成されており、査読の各ステップを丁寧に紐解き、分かりやすいフローチャートやチェックリストもふんだんにある。最終章には実際に査読をする機会をも与えてくれている。論文査読は大学病院などのアカデミックな機関にいると依頼されることが多いが、査読のやり方を学ぶ機会がない多くの悩める査読者にはこの上なくありがたい書籍だ。

    渡瀬 剛人 先生(藤田医科大学 救急総合内科 教授)

  • タイトルにある「査読を制する者は論文を制する」というのは、まさしく正しいメッセージです。私は医学論文執筆や査読に関係する分野の研究者ではありませんが、本書を読みながら、紹介されている系統的・網羅的な観点での査読方法を知ることで、自分の分野の研究における論文執筆・査読でも十分活用できることに気づきました。査読者がどのように論文の審査を行っているかを意識することで、論文の質を向上していけることは間違いありません。ぜひとも手元に置いておきたい一冊です。

    水本 篤 先生(関西大学 外国語学部 外国語学科 教授)

  • 本書は、ブラックボックス的な査読のメカニズムを紐解き、査読の「お作法」を身近なものにすることにより、査読に対するネガティブなイメージを払拭する点で画期的です。私は大学で様々な分野の論文執筆指導を行ってきましたが、本書のように査読を軸にして論文の質を向上させることを可能にする本に出会ったことはなく、論文の書き方を指導する立場の人にもぜひ読んでいただきたい一冊です。

    マスワナ 紗矢子 先生(東京理科大学 基礎工学部教養 准教授)

  • そもそも医学論文はどういうルールに則って掲載されているか? 医学論文の質を支える査読はどういう手順を踏んで行えば良いか? という問いに、真っ向から挑んだ快作です。これから査読を始める人だけでなく、論文を書き始める人も、プロの論文の読み方を知りたい人も、ぜひご一読ください。

    片岡 裕貴 先生(兵庫県立尼崎総合医療センター 呼吸器内科・臨床研究推進ユニット/京都大学大学院 医学研究科 地域医療システム学講座 客員研究員)

内容紹介

突然訪れる「査読」の依頼。制限時間のある中で、守秘義務によりむやみには上司や先輩にも相談できず、他の方の論文を自分一人で評価しなければならない。何とか頑張ってコメントを返しても、本当にあれで良かったのだろうかと迷うことも……。皆さんの「査読」に対するネガティブな思いは、「査読」をもっと体系的に整理し理解することで克服できます。
「ハードルが高い」と敬遠していては勿体ない。査読ってもっと面白いものなんだ。そんな「伝えたい」という筆者の強い思いをモチベーションに本書は執筆されました。
「査読を制する者は論文を制する」。「査読」について体系的に学ぶことで、今度は皆さんが著者として論文に関わる際にも、これまでよりもはるかに広く深い視点で執筆に臨めることを実感していただけるでしょう。
さあ、あなたも「査読」を通して医学の発展を支える世界の研究者の一員に!

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【目次】

  • はじめに
  • 付録 査読用ワークシート

第1章 さあ、あなたも査読者になろう

1節 そもそも査読とは何なのか
  • 1-1. 査読って何? なぜやるの?
  • 1-2. 査読の仕組みを見てみよう
  • 1-3. 現行のシステムには課題も多い
  • 1-4. 査読を取り巻く環境は今も発展途上
2節 査読者になるために
  • 2-1. どうやったら査読者になれるの?
  • 2-2. あなたは査読依頼を受けるに足るか?
  • 2-3. 良識ある査読者たれ
  • 2-4. 査読は人のためならず

第2章 The 査読のお作法Ⅰ:要旨をまとめて論文全体を評価する

1節 査読にもお作法がある
  • 1-1. お作法を知れば査読依頼も怖くない
  • 1-2. 査読のお作法:六つのステップ
  • 1-3. 査読を制する者は論文を制する
2節 「初回の通し読み」で要約する
  • 2-1. 「初回の通し読み」はこうすべし
  • 2-2. 要旨のまとめ方
  • 2-3. 医学研究で用いられる主な研究デザイン
  • 2-4. 医学研究で用いられる主な統計解析
3節 研究の意義を評価するためのフレームワーク
  • 3-1. 研究の意義・重要性
  • 3-2. P I O N E E R チェック
  • 3-3. 意義は視点によって変わる
  • 3-4. 良いところを見つけてあげよう

第3章 The 査読のお作法Ⅱ:チェックリストを活用した系統的項目評価

1節 報告の質とは
  • 1-1. 論文としての体裁も査読の評価対象
  • 1-2. The EQUATOR Networkと研究報告ガイドライン
  • 1-3. チェックリストによる報告の質評価のまとめ
2節 結果の解釈:バイアスリスクの評価
  • 2-1. どんな研究にも潜むバイアスのリスク
  • 2-2. Risk of bias評価ツールとは
  • 2-3. チェックリストによるバイアスリスク評価のまとめ
3節 結果の解釈:因果の評価
  • 3-1. 因果関係とは
  • 3-2. 観察研究による因果の推定とHillの基準
  • 3-3. チェックリストによる因果の評価のまとめ
4節 査読レポートを作成しよう
  • 4-1. テンプレートを用いて査読コメントをまとめる
  • 4-2. 査読コメントを英語で書くということ

第4章 実践!ワークシートを用いた論文査読

  • おさらい-最重要事項のまとめ
  • あとがき

医学論文査読のお作法 付録 査読用ワークシート(Excel)ダウンロード

医学論文査読のお作法に付録のワークシート(Excel)を無料でダウンロードしてご使用いただけます。
ご使用方法は、医学論文査読のお作法をご参照ください。

医学論文査読のお作法 初版 正誤表(PDF)ダウンロード

医学論文査読のお作法 初版(2020年11月発行)につきまして、本文中に誤記・誤植等がございました。深くお詫び申し上げます。
読者のみなさまには、ぜひ本表を併せてお読みいただき、書籍をご活用くださいますようお願い申し上げます。